【夕陽文化圏が照らす二千年の社・日本海】能登半島一日で一周

二千年の歴史を重ねる夕陽文化圏を見たグルメ

やっちゃえ!オッサン よしのケンジです。

日本全都道府県を巡るアラウンド47に取り組んでいます。

能登半島が最後に見せてくれたのは、雄大で美しい景色でした。

「能登半島一日で一周の旅」は、二千年の歴史を重ねた「文化圏」の一つをであろう気多大社と、再び向かったあの場所から水平線に沈む夕陽に浸りながら締めくくります。

(2018年8月初旬の晴れた暑い日)

能登の気多大社

能登半島の付け根に鎮座する気多大社。

崇神天皇の御代に創建されたと伝えられ、伝承としては二千年の歴史を重ねています。

その参道一の鳥居は南側の海に面しており、南北に近い方角に延びる参道。

地形的には、邑知潟地溝帯の北西から広がる能登の丘陵・山塊の南端に位置しています。

古代に出雲から越に広がっていた諸勢力にとって重要な場所だったのだろうと想像される位置です。

地形図を見ると分かりやすいですね。

羽咋市街から北東方向に、七尾湾に面する七尾市街に向かって、邑知潟地溝帯がはっきりと見えます。

能登半島の地形図(出典:Wikipedia)

出典:能登半島の地形図|Wikipedia能登半島

命名「夕陽文化圏」

能登半島を初めとする日本海側には、古代から相互に関係があったと考えられています。

出雲国風土記にも古志(越)に関する話が記されていることから、日本海側の各地は広範囲に交流していたであろうと考えられます。

所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)大穴持命(おおなもち)
当風土記では最も登場回数が多い神である。「の八口」を平定して出雲に帰還した後に意宇郡母里郷で国譲りの宣言を発した。神門郡を中心として妻問いの説話が多い。大原郡では八十神を討つために行動を起こしている。

出典:出雲国風土記(Wikipedia)より引用

これらの日本海を軸とした古代からの文化関連地域。

それを、ここでは夕陽文化圏と呼びたいと思います。

なぜ「夕陽」なのか?

それは、日本海側の各地で共通して見られるであろう景色に、この日の締めくくりに出会ったからです。

きっとそれが、昔からの人々の心の共通項になっていたのかもしれないと感じたから。

そして能登半島の旅の最後に訪れることに決めたのは、この「夕陽文化圏」の一つを担っていたであろうと想像する気多大社です。

能登島経由のコース

穴水町の根木ぼら待ちやぐらを出発します。

ただし、まっすぐ気多大社には向かいません。

七尾湾を縫うように、能登島を経由するルートを通ることにしました。

「ツインブリッジのと」へ

能登島に渡る橋は二つあります。

ひとつは、能登島大橋

もうひとつが、「ツインブリッジのと」の愛称で呼ばれる中能登農道橋です。

ナビの目的地に「ツインブリッジのと」をセットして出発!

しばらくは、右手に穏やかな七尾湾を眺めながら国道249号線を進みます。

のと七尾線の西岸駅を過ぎ、国道249号線が線路の上を越える手前で左折なのですが、正直分かりづらいです。

ナビがなかったら、きっと迷っていたでしょう。

長浦うるおい公園

ツインブリッジのと に渡る手前には、長浦うるおい公園があります。

長浦うるおい公園から眺めるツインブリッジのと

ここで、橋をじっくり眺めましょう。

ツインブリッジのとは二面の吊り橋です。

長浦うるおい公園から眺めるツインブリッジのと

公園には展望台があり、もう一つの橋である能登島大橋をあちらに眺めることもできます。

長浦うるおい公園から眺める能登島大橋

さて、能登島に渡りましょう。

ツインブリッジのとを渡ると、「本日の通行台数」が表示されていました。

(運転中のため写真は撮れませんでした)

このとき既に17時過ぎ

能登島は本日通過するだけにします。

ツインブリッジのとから能登島大橋までの最短ルートは、能登島の西側剣道257号線を走るコースです。

山の中と集落の間を抜けるルートで、残念ながらあまり景色が楽しめる感じではありませんでした。

さあいよいよ、気多大社に向かいます。

気多大社

能登島から気多大社までは、能越自動車道とのと里山海道を経由

最寄りのインターチェンジは栁田ICです。

国道から気多大社へは高台に登ります。

駐車場は、二の鳥居の手前の広く用意されていました。

二の鳥居をくぐったのが、18時

気多大社の二の鳥居

ここまで「気多大社」と書いてきましたが、正確には「國幣大社氣多神社」のようですね。

景色は赤く夕陽に照らされ、日暮れが近づいています。

参道を進んでいると、神職の方が神門を閉じられている!

ちょうど

ちょうど間に合わなかったか。

気多大社神門

でも大丈夫

参拝はこの神門の前からでもできます。

二礼二拍手一礼

重要文化財 気多大社神門

この神門は桃山時代に建てられているもので、重要文化財に指定されています。

気多大社神門は桃山時代に建てられているもので、重要文化財に指定

気多大社の中の他の建物も多くが重要文化財や県指定有形文化財に指定されています。

気多大社の中の他の建物も多くが重要文化財や県指定有形文化財に指定されています

さらに社殿の奥に広がる森は、「入らずの森」といわれ、古来からの自然林の様相を伝えており、国の天然記念物に指定されているそうです。

神木の杜

当大社の社叢林は、通称「入らずの森」といわれ、古来、斧を入れることなく、この地域の自然林の様相をよく伝えており、学術的価値の高いことから昭和42年に国の天然記念物に指定されました。

この自然林を保護し、後世に伝えていくため、当大社では”神木の杜造成事業”をすすめています。その一環として日本海側に鎮座する神社の神木で、国の天然記念物に指定された神木の種子や苗木を譲り受け、当地で養成し、石川県巨樹の会の指導により、社叢林の周辺に植え育てているところです。

(気多大社 説明板より引用)

説明を読むと「日本海側に鎮座する神社」の交流が行われているとのこと!

ここには、今でも夕陽文化圏」が生きていました

日本海を照らす夕陽

気多大社を出発し再び、のと里山海道に乗ります。

金沢へ向かって進む。

右手には日本海に沈もうとしている夕陽が付き添ってきます。

ひたすら続く砂浜とその先に広がる水平線

その上から赤く照らす夕陽

この景色をじっくり眺めたくって、またまた寄り道

今朝立ち寄った、千里浜なぎさドライブウェイへ行きましょう。

波打ち際に車を停めます。

千里浜なぎさドライブウェイで日本海に沈む夕陽を眺める

夕陽が波の上に真っ直ぐと

足下まで伸びる光の道を創り出しました。

しばらく、時間を忘れてこの景色に浸ります。

一日の締めくくりにふさわしいひととき。

(番外編)ご当地グルメ発見

コンビニに立ち寄ると、とろろ昆布で包んだおきにりがありました。

せっかくなので二種類買い。

とろろ昆布で包んだおきにり二種類

「北陸限定」とのことで、とろろ昆布のおにぎりは富山でメジャーな食べ物だそうです。

食べると、昆布の風味とうま味が口いっぱいに広がる柔らかい美味しさ。

他の地域でも売ってほしいです。

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